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レポート

第6回 NEW CONFERENCE
女性経営者等の活躍に向けた会議 ~女性社長が動かす東京の未来~

分科会5:企業ビジョンの共有
経営者がすべて開示しながら巻き込んでいくこと

ピーター・ドラッカーが提唱した経営方針「ミッション・ビジョン・バリュー」の一つ、「ビジョン」について語るこのセッション。進行を務めるのは、企業の役員・管理職における女性比率改善などのコーチングを手掛ける株式会社A&CO代表取締役社長であり、ダイバーシティの取り組みを支援する一般社団法人WEassociation理事も務める三竹麻子氏です。

1日100食限定をコンセプトにした「佰食屋」など飲食事業や不動産事業を手掛ける株式会社minitts代表取締役の中村朱美氏は「会社は明日の責任を。みんなは今日の責任を。」という言葉を社員割引カードの裏に載せているといいます。これは、広報のプロである中村氏が「仕事はその仕事のプロに任せるべき」という考えのもとに示しているそう。
「『集客はしなくていい』と明確にしているんです。明日の集客は会社が責任をもちます。だからみんなは今日来てくれたお客さまに、絶対に満足してもらえるよう目の前の接客と調理に集中してほしい、ということを伝えている」。社割カードを使うのは、財布に入れて持ち歩くため自然と目につくからだといいます。

「生活者中心の市場の創造」をビジョンに掲げ、コスメ・化粧品・美容の総合情報サイト「@cosme」を運営する株式会社アイスタイルの取締役共同創業者で、一般社団法人バンクフォースマイルズ代表理事も務める山田メユミ氏。アイスタイルでは、社内の各部門のプロジェクトから「共創の精神で頑張ったこと」をエントリーしてもらい、選考して表彰を行っています。
「共創はどんなビジネスでも重要なキーワード。我々もいろいろな利害関係を調整しながらやっていかなきゃいけない立ち位置ですから。例えば、生活者からの声と企業の利害関係が相反することもありますし、社内でも営業部門はこうしたい、イーコマース部門はこうしたい、と日々喧々諤々しています。そこで『お互いにリスペクトをもって、共創の精神で活動できているか』ということをしつこく言っています。『妥協の末の“落としどころ”ではなく“、目指しどころ”を探すんだ』と、合言葉的にずっと言い続けていますね」

ITで予防医学を身近にすることを目指してマッサージ予約システム「ワンモアハンド」などを展開する株式会社クロスリンク代表取締役矢野敦子氏。採用にあたり求める人物像も「元気であること。それだけでいい」といいます。
「私たちのビジョンは『元気な人が人を元気にする』なので、私たちと関わった皆さんが元気になっていただけるよう、私たち自身が常に元気であることを意識してくださいねという話を常にしています。マッサージの予約システムを扱うなかでも、『予約件数』ではなく『元気にした人数』と呼んで、『今月は〇万人のお客さまの元気をつくったね』という言い方をして、浸透させています」

「人生を変えるメディア」をパーパスとして掲げ、アドメディア制作、中高年向けマッチングアプリなどシニア・妊産婦・子どもの領域に特化したメディア制作を手掛ける株式会社ソーシャルサービス代表取締役社長の白形知津江氏は、創業時のビジョンを「覚えられなきゃ意味がないので短くしました」とバッサリ。
「『人生を変えるメディアを作る』なら誰でも覚えられる。ただ、これだけだと浸透しないので、全社員で毎年『人生を変えるメディアを作るためにやるべきこと3つ』のようなスローガンを作って、毎朝唱和しています。給料明細の後ろにも必ず付けますし、トイレにも貼り出し、クレド手帳にも付けて、もううるさいぐらいやる」

こうした方針の背景にあったのが、白形氏が過去に経験した「売上の95%、利益の97%がなくなる人生のどん底」だといいます。
「まず『半年後に解散して、社員にどう次の就職先を斡旋するか』といった最悪のシナリオも、『半年の間にいくら売上がないと全員の雇用継続はできません、何名だったらできます』といったお金のことも、どうしてその状況に陥ったかも、すべて開示して全員に共有しました。そうして半分ぐらいの方に残っていただいたけれど、もうやることがないので、毎日朝から晩まで営業の電話をかけて。『また切られたね』と言いながら、でもこれを3カ月やるとちゃんと売上につながっていった。だから『つらい時こそ正直に言って、全員で共有』が良いのかなと」

最後に三竹氏が「従業員のタイプによって、トップダウン型でいくか、それともボトムアップ型から仕組み化していくかやり方はあれど、とにかく経営者がすべて開示しながら巻き込んでいくのが必要なんだということ」と総括。質疑応答も白熱し、ビジョンの共有について熱く語ったこのセッションは終了しました。

白形 知津江
株式会社ソーシャルサービス
代表取締役社長

東京出身。スキー選手、出演業を経て電通に入社。
仕事で訪れた与論島で利他の精神に触発され、島に移住して地域創生活動を行う。
2005年、出産を機に自宅の一室でメールでギフトを贈る事業を開始し、一億円を調達。
地方在住の「ママ+専門学校+引きこもり」メンバーで、mixi、Microsoft、郵政等と事業提携し、県知事褒章、カンヌ国際広告祭銅賞 、Japan Venture Award 2010 中小企業大臣賞を受賞、中小企業庁政策審議会審議委員に就任。
2012年、郵政関連団体と資本業務提携し、シニア事業を開始。
2016年、MBO後から中高年、妊産婦、小学校の特化型メディアを創設。
2023年、中高年専用マッ チングアプリ「R50Time」、産後うつデジタル治療アプリ「MaMaTo」開発中。
日本応用老年学会理事、日本セカンドライフ協会理事、東京女性経営者アワード受賞。

矢野 敦子
株式会社クロスリンク
代表取締役

新卒で凸版印刷株式会社に入社し営業職に従事。途中、株式会社博報堂へ出向し大手自動車会社のプロモーション戦略の企画立案から実施までを行う。その後、株式会社エムアウトに参画。新規事業の立ち上げを経験したのち、2010年に株式会社クロスリンクを設立。2012年に株式会社エムアウトからMBOを実施し、現在に至る。
株式会社クロスリンクは「元気な人が人を元気にする」というビジョンの下、社会の持続的な成長には「健康」こそ最も必要と考え、予防医学をより身近にしていくことを目指しプラットフォームを構築。
集客予約プラットフォーム「ワンモアハンド」、求人プラットフォーム「キャリさぽ」で予防医学に関わる人々をサポートしている。
2022年度東京女性経営者アワード持続経営部門受賞

山田 メユミ
株式会社アイスタイル
取締役 共同創業者
一般社団法人バンクフォースマイルズ
代表理事

1995年東京理科大学卒。2018年東大EMP修了。
化粧品メーカー在職中に趣味で始めたメルマガへの反響をもとに、コスメ情報サイト『@cosme』を企画立案し、1999年にアイスタイルを共同創業。
現在も取締役を務めるほか、セイノーホールディングス、SOMPOホールディングス、セブン&アイ・ホールディングス社外取締役や学校理事等を兼任。
2021年、有志とともに一般社団法人バンク・フォー・スマイルズを立ち上げ、困難を抱える女性世帯に化粧品業界にある行き先のないコスメを詰め合わせてお届けするコスメバンクプロジェクトを始動。

中村 朱美
株式会社minitts
代表取締役

1984年京都府亀岡市生まれ、京都教育大学卒。専門学校の職員として勤務後、2012年9月に飲食事業や不動産事業を行う「株式会社minitts」を設立。
1日100食限定をコンセプトに、美味しいものを手軽な値段で食べられるお店「佰食屋」を行列のできる人気店へ成長させる。
「1日100食限定」というお客さまにも従業員にもそして環境にも優しい経営の実現により、第32回人間力大賞農林水産大臣奨励賞、ForbesJAPANウーマンアワード2018新規ビジネス賞、日経WOMANウーマンオブザイヤー2019大賞等数々の賞を受賞。
コロナウイルスの影響により大きな打撃を受けたものの、ピンチをチャンスに変える新規事業への取り組みにより、石井食品株式会社と共同開発で新商品「イシイの佰にぎり」という新商品を生み出すことに成功し、2023年同社の社外取締役に就任。この不安定な世の中での決断力と行動力が注目される。

三竹 麻子
株式会社A&CO 代表取締役社長
一般社団法人WE association 理事

KDDI、マイクロソフト、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て独立、株式会社A&COを創業。
社会人大学院の女性キャリア支援からスタートし、キャリアコーチサービス「Good Coach」を運営。企業の女性管理職育成や男性管理職のマインドセットにコーチングで成果をあげてきた。
2023年業界専門紙数社と一般社団法人WE associationを設立、DE&Iに関する企業支援の幅を広げている。

開催日時 2022年11月20日(月)13:00-18:10
会場 【リアルイベント】
東京国際フォーラムD7・G404・G405・G407・G408(東京都千代田区丸の内3丁目5−1)
【ライブ配信(オンライン)】
ZoomとYouTubeによるライブ配信
対象 企業・団体の代表者、経営者層、個人事業主など(男女不問)
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