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レポート

第6回 NEW CONFERENCE
女性経営者等の活躍に向けた会議 ~女性社長が動かす東京の未来~

基調講演2:EQUITY(公平性)を理解する~D&IからDE&Iへのステップアップ〜スプツニ子!
EQUITY(公平性)がイノベーションを起こす
アンコンシャス・バイアス/構造的な差別を乗り越えて

2人目の基調講演は、アーティスト、大学准教授、母親...と多くの顔を持つスプツニ子!氏。代表取締役社長を務める株式会社Cradleは、「真に公平なダイバーシティ&インクルージョン」を目指すスタートアップで、企業従業員向けのヘルスケアとキャリアのサポート事業を展開しています。

「ダイバーシティとイノベーションは直結している」と語るスプツニ子!氏。新しい課題を発見し解決することでイノベーションは生まれるため、組織内が多様であるほど問題を発見するアンテナが広がり、それがイノベーションを起こさせると、自身のMIT在籍時の体験を交えて解説します。

続けて、多様性が低い集団で起きやすいリスク(同質性のリスク)として、グループシンクの8つの症状が読み上げられました。「自分たちの集団に対して過大評価する」「外部からの意見や警告を無視する」「都合の悪い情報を遮断する」「疑問を持たないように自己抑制を行う」など、現在の日本企業の多くにも当てはまる項目が多くあります。
「そういった組織はイノベーションが起きにくく、若い人が新しいアイデアを出しにくい。日本がこれから成長するために、ダイバーシティは本当に必須だなと思います。もっともっと多様な人が活躍しなきゃいけない」と語ります。

スプツニ子!氏

そのようななかで、世に出てきたキーワード「EQUITY(公平性)」について、話題は移ります。DE&Iを話題にする際、「男女関係なく、能力のある人がやればいい」「女性活躍なんて逆差別」といったコメントをよく耳にします。しかし、アンコンシャス・バイアス(無自覚の偏見)や構造的な差別など、そもそも偏りがあることを無視してEQUALITY(平等性)を謳うのは、EQUITY(公平性)ではないと強調します。
つい5年前まで多くの医大で将来の妊娠出産を理由に女性受験者を減点していたことを例に挙げ、「このような組織的な人権侵害が最近まで起きていた国で、男も女も関係ないと言ってしまうことの残酷さをよく考えてほしい」と、スプツニ子!氏は話します。

この例のように、当人たちに差別する意識がまったくなくとも、社会全体や企業全体の偏りによって性別や属性に不利な状況が生まれてしまうことを「構造的な差別」と言います。
「構造的な差別は、不利益を被っていない側にとってはしばしば無色透明で見えにくい。だから、まるで存在しないかのように振る舞ってしまい、男も女も関係ないみたいなことを言いたくなってしまう。EQUITY(公平性)で重要なのは、構造的な差別が存在することを前提にしっかり点検して、偏りがないようにアクションしていこうという考え方です」

多方面で活躍されるスプツニ子!氏ですが、大学生時代は起業家に対して「MBAを持っている男性」というイメージを持っていたそう。しかし、いざ起業してみるととても自由で、ミッション・ビジョンを実現していくやりがいや、フレキシブルにデザインできる魅力があったと話します。
自身が起業したきっかけは共同創業者との出会いだと語るスプツニ子!氏は「スタートアップに関わる人は男性ばかり。だからこそ、今日みたいなイベントでつながって、ざっくばらんに話せるコミュニティが必要だと思います」と、志を同じくする女性同士の出会いを大事にしてほしいとアドバイスします。

加えて、女性起業家、女性経営者として重要なことに、キャシー松井氏と同じく「自信」を挙げました。
「女性が自信を持つことは簡単ではありません。何か新しい挑戦をしたい時に背中を押してくれるのはやはり自信です。自信を持つのはタダ。挑戦するために背伸びすればするほど背も伸びていく。今も、私ならできるんじゃないかと思って挑戦を続けています」と、参加者にエールを送りました。

スプツニ子!
株式会社Cradle
代表取締役社長 / アーティスト

インペリアル・カレッジ・ロンドン数学科および情報工学科を卒業後、英国王立芸術学院(RCA)デザイン・インタラクションズ専攻修士課程を修了。
RCA在学中より、テクノロジーによって変化していく人間の在り方や社会を反映させた映像インスタレーション作品を制作。
2013年よりマサチューセッツ工科大学(MIT) メディアラボ 助教授に就任し Design Fiction Groupを率いた。
その後東京大学生産技術研究所特任准教授を経て、現在は東京藝術大学デザイン科准教授。
2017年 世界経済フォーラム 「ヤンググローバルリーダー」、2019年TEDフェローに選出。
2018年より東北新社フェロー。2019年、DE&I推進を掲げて株式会社Cradle(クレードル)を起業、CEOを務める。
2022年よりデジタルガレージ社外取締役。著書に「はみだす力」。

開催日時 2022年11月20日(月)13:00-18:10
会場 【リアルイベント】
東京国際フォーラムD7・G404・G405・G407・G408(東京都千代田区丸の内3丁目5−1)
【ライブ配信(オンライン)】
ZoomとYouTubeによるライブ配信
対象 企業・団体の代表者、経営者層、個人事業主など(男女不問)
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