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レポート

第6回 NEW CONFERENCE
女性経営者等の活躍に向けた会議 ~女性社長が動かす東京の未来~

分科会4:価値創造への挑戦
事業への想いを届け続ける、顧客の声を聞き続ける

事業の作り方について語るこのセッションは、雑誌「日経WOMAN」の編集長を経て出版社を立ち上げた株式会社月と文社代表取締役の藤川明日香氏が進行を務め、3名の女性起業家が登壇しました。まず話題になったのは「起業に至るまで」です。

AIチャットボットを軸に行政のデジタル化を手掛ける株式会社ビースポーク 代表取締役社長の綱川明美氏は、旅先での不便な経験が起業のきっかけでした。
「探しても自分が求めている案内サービスと合致するものがなかったので、自分で作ってみたんです。ただ、リリース後にユーザーインタビューをするなかで『自分が求めるものを皆が欲しいわけではない』ことがわかり、ユーザーの声を聞き続けて中身をどんどん変えていった」

キャリアについて考えるコーチングサービスを手掛けるポジウィル株式会社 代表取締役の金井芽衣氏は、キャリアカウンセリングを学んだことで人生が変わる経験をし、これを伝えていきたいと起業に踏み切ったと語ります。
「経営者の父に『30歳ぐらいまでに事業をある程度かたちにしたいなら、多分3年はかかるから』と言われたのをきっかけに、27歳で起業しました。当時は『カウンセリングは病んでいる人のもの』と言われましたが、その一方で日本には『相談』の文化がある。そこに反響をいただき、メディアの取材を受けたりしました」

お客さまならぬ「猫様」の行動分析や体調管理ができるIoTサービス「Catlog」を展開する株式会社RABO 代表取締役社長CEO 伊豫愉芸子氏は「社長になるなんて夢にも思ってなかった」といいます。
「私も猫様とずっと一緒に暮らしていて、飼い主として猫様の不安を解決する方法はないか考えていた時『私は大学院までバイオロギングという動物行動学の研究をやっていた。リクルートで様々なプロダクトを作ってきた。猫様を長年飼ってきた。この3つを持ってるのは、少なくとも日本には私しかいなかろう』と思い、その課題に対するソリューションが提供できると確信しました」

続いて藤川氏は、事業作りで重要な他社との「差別化のポイント」を聞き出していきます。市役所などへの問い合わせに対応するAIチャットボットを提供している綱川氏は、ポイントとして「24時間リアルタイムモニタリング」、「返信率を計測しながらのプロによる回答制作」、「チャットボット同士の連携による精度向上」の3つを挙げました。また、エンジニアの採用術について「『日本語ができなくてもいい』となると、多くの日本企業が採用できない外国人層にアクセスできるんです。それでGAFAMにいたようなハイスキルなエンジニアをたくさん抱えています」という驚きの秘策が飛び出します。

金井氏は自社のコーチング事業を人気パーソナルトレーニングジムになぞらえ、差別化のポイントを「専門家と提携して、根本原因をお客さまと一緒に探っていくこと」だといいます。
「仕事で悩む方、人間関係がうまくいかない方は、幼少期からのメンタルの問題や体の不調といった他の要因があることも多いので、そういうところから紐解いて、今だけでなく未来までつなげていくやり方は他ではなかなかないのかなと」

そして伊豫氏の差別化のポイントは、ターゲットをペット一般に広げることなく「猫様のための良いプロダクトを作る」ことと、「狂気をはらむほどの世界観」の2つ。
「動物の種類によって解剖学的にも生物学的にも、飼い主のインサイトも全然違う。その広い括りに対して同じ価値を提供しようとしても勝てない。そして『猫様のために生涯やり抜きます』というオーラのようなものを、お客さまにも、こういう場でもお伝えしていく。そういうある種の狂気をはらんだ世界観は真似できないかなと思います」

最後に藤川氏は、「事業を成長させていく過程でのターニングポイント」を尋ねました。
綱川氏は、ホテル専用のAIチャットボットを展開していた当時、成田空港の担当者からアプローチを受けたことを挙げます。「『ホテルで失敗は許されませんよね?』と言われたんです。ホテルで失敗していないのであれば、空港でも稼働できるでしょうと」。かくして国際空港では世界初のAIチャットボットが登場し、世界中の空港、鉄道、自治体、省庁への案内サービス提供、国際会議での事例紹介とどんどん展開していったといいます。

金井氏の好機はSNSにありました。最初の事業で共同創業者に「フォロワーが少ないから誰も使ってくれない」と言われたのをきっかけに、次の事業ではSNSのフォロワーを1万人まで伸ばしたところ、市場が求めるものが肌感でわかるようになったといいます。それを頼りに事業化し、口コミが生まれ、メディア取材につながっていきました。

伊豫氏は、まさに今後ポイントになるであろう「アメリカでの販売開始」を迎えているところ。
「いい意味で(国内と)変わらないというか、飼い主さんの愛情はやっぱり共通ですから。肩肘張って『グローバル展開するぞ!』というより、『マーケティングのセグメントが一気に広がったな』ぐらいでやっています」と意気込みます。

様々な視点で価値創造に挑戦し続ける経営者たちの熱い想いが飛び交うセッションでした。

綱川 明美
株式会社ビースポーク
代表取締役社長

●カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の国際開発部を2009年に卒業。
●豪系投資銀行での海外機関投資家向け日本株調査・営業、米系大手資産運用会社での国内機関投資家向け金融商品開発を経て、2015年に株式会社ビースポークを日本で設立。
●「こんなのあったらいいな」という思いから事業化した、リアルタイムのコミュニケーションプラットフォームである「Bebot(ビーボット)」というAIチャットボットを国内外の公共機関向けに展開中。世界15カ国からトップレベルの開発者を採用し、世界初の「AI x 国際空港」や「AI x 鉄道駅」など、世界初のAI案件を多数プロデュースしたことから、チャットボットの第一人者として、国際会議に多数登壇。
●イスラム過激派のテロにあった経験から、「災害を含む緊急時のコミュニケーション」にも熱い思いを持って取り組んでいる。
●2019年にはシリコンバレーに米国子会社を設立。
●2021年から、岸田総理が創設したデジタル臨時行政調査会の有識者、2022年からは富山県南砺市のデジタルアドバイザーに就任。
●現在2歳の息子を連れ、日本全国に出張しながら行政のデジタル化を推進している。
●2023年に新経連のJX Awards 2023特別賞を授賞。

金井 芽衣
ポジウィル株式会社
代表取締役

1990年生まれ。埼玉純真短期大学で保育士・幼稚園教諭の免許を取得した後、2010年に法政大学キャリアデザイン学部に編入学。
13年に卒業後、リクルートエージェント(当時)に入社し、人材紹介部門の法人営業として勤務。
17年、国家資格キャリアコンサルタントに登録、ポジウィルを設立し、代表取締役に就任。
総額約3億円の資金調達を実施し、キャリアに特化したパーソナル・トレーニング「POSIWILL CAREER(ポジウィルキャリア)」を運営する。

伊豫 愉芸子
株式会社RABO
代表取締役社長CEO

東京海洋大学大学院博士前期課程修了。東京大学大気海洋研究所 佐藤克文教授のもと、ペンギンやオオミズナギドリに小型センサーをつけ行動生態を調査するバイオロギング研究に従事。
大学院修了後、株式会社リクルートに新卒入社し、インターネットサービスの企画やプロダクトの設計、新規事業開発を担当。
2018年2月22日の猫の日に、株式会社RABOを創業。猫様と20年以上一緒におり、ショートヘアソマリ♂のブリ丸とベンガル♂のおでんと暮らしている。
一般社団法人日本ペット技能検定協会認定キャットケアスペシャリスト/キャットシッター資格所有。

藤川 明日香
株式会社月と文社
代表取締役

東京工業大学工学部建築学科卒業、東京工業大学大学院建築学専攻修了後、1998年に日経BP入社。
『日経アーキテクチュア』など建設業界向けの専門誌・ウェブサイトの編集記者、米国TIME社発行の女性向けライフスタイル誌の日本版『REAL SIMPLE JAPAN』編集部を経て、2008年に『日経WOMAN』編集部へ。
2018年から2023年3月まで『日経WOMAN』編集長。「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」「女性が活躍する会社BEST100」の調査・発表にも携わる。
2023年5月に出版社、株式会社月と文社(つきとふみしゃ)を設立。

開催日時 2022年11月20日(月)13:00-18:10
会場 【リアルイベント】
東京国際フォーラムD7・G404・G405・G407・G408(東京都千代田区丸の内3丁目5−1)
【ライブ配信(オンライン)】
ZoomとYouTubeによるライブ配信
対象 企業・団体の代表者、経営者層、個人事業主など(男女不問)
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