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レポート

第7回 NEW CONFERENCE
女性経営者等の活躍に向けた会議 ~女性社長が動かす東京の未来~

分科会4:事例に学ぶ資金調達の実践的アプローチ
資金調達は「金額の大きさ」だけではない
そのビジネスに合った形や規模を見極めて

「事例に学ぶ資金調達の実践的アプローチ」をテーマに話し合うセッションでは、個人投資家のコミュニティを運営する株式会社A&I代表取締役の岡美智子氏が進行を務め、資金調達の経験豊富な3名の女性経営者を迎えて行われました。

サロン・治療院の予約システムや電子カルテを提供する株式会社クロスリンク代表取締役の矢野敦子氏は、創業以来MBO、銀行・日本政策金融公庫からの融資、出資を経験してきたと言います。
クラウド受付システムなどを提供する株式会社RECEPTIONIST代表取締役CEOの橋本真里子氏は、エンジェル投資家による第三者割当での資金調達を経て、現在はVCなどからの出資も受けています。「投資でチームビルディングをするというか、エンジェル投資家にお金だけではなく、人脈や知見も一緒に出していただこうと考えました」
日本のブランドの海外流通を一気通貫で支援するアジアンブリッジ株式会社代表取締役社長の阪根嘉苗氏は、自己資金でスタートした後、日本政策金融公庫、銀行、VC、CVCの出資を受けるように。今期は「特定投資家向け銘柄制度(J-ships)」により個人投資家の出資も受けたと言います。

最初の話題は、「融資のメリット・デメリット」。
矢野氏は、融資はポテンシャルではなく「今の成績」を重視する傾向があり、厳しい判断を下されることが多いと言います。一方メリットとしては、「出資者の思いが込められたお金」を受け取るわけではないので、返済が順調であればビジネスにあまり口出しされないことを挙げました。
阪根氏は「『返済しなければ』という責任があるので、気持ちとしては重い」と一言。ただ、返済方法の選択肢が増えていることや、経営者保証をやめる流れなど、デメリットを軽減する流れがあることも語られました。
次に「融資・出資を選んだ理由」について問われると、自己資金でスモールスタートした阪根氏は「採用・仕入れ・システム開発などが必要で、どうしても自己資金だけでは賄えなくなったから」と述べました。
橋本氏の会社が扱うSaaSプロダクトは「プロダクトを作って事業を立ち上げるために赤字を掘るのがセオリー」なのだそう。10年前の創業当時は融資で大きな資金を集めることが今よりも難しく、投資で資金を集める「スタートアップモデル」がスムーズだったのだとか。
矢野氏は、設立した会社が売却されるフェーズに至り「このビジネスモデルをやり抜きたい」と自己資金で買い取ったと言います。さらに、返済しない出資では甘えが出ると「やる気を奮い立たせるために借り入れをした」のだそう。

岡氏はここで資金調達の種類に「事業会社との共同開発・受託事業」があることを解説。話題は「共同開発・受託事業のメリット・デメリット」に移ります。
矢野氏は「メリットはIPOなどの“ゴール”が決まっていないこと」と言います。事業への思いを同じくすることで、事業会社側から常に「事業価値を社会へ還元できているか」声をかけられたり、アドバイスや人脈などで協力を受けられたりするのだそう。
一方、阪根氏は「『共同開発が前提』だと強調されたり、毎週会議を求められたり、(応援を逸脱した)プレッシャーをかけられたりすることも。出資を受ける前に、どういう考えか確認するのが良い」と、デメリットを示唆します。
VCでの資金調達のメリットについて問われた橋本氏は、逆に「『何年でIPOしなきゃ』といった、良い意味のプレッシャーがある」と言います。また「VCはさまざまなフェーズの会社に投資して彼らなりのナレッジを持っているし、勉強会や営業先の紹介、次なる株主の紹介などを無償で引き受けてくれることもある」と述べました。
岡氏からは、融資と出資のビジネスモデルの違いが資金を出す側のスタンスにも表れると説明されます。「相手の立場になって考えた上で、どうやって資金を引き出すかという戦略が必要だと思います」

そして話題は「出資に関して気を付けるべきこと」へ。
阪根氏が挙げたのは「投資契約は専門の弁護士に相談し、慎重に結ぶこと」。「投資契約書にはさまざまな条項があって、正直、素人では読解できない。特に投資家に優先的な条項を盛り込む『種類株(優先株)』については、投資家によってかなり考えが違う」と訴えます。
橋本氏は「資本政策も信頼できる方に相談してつくる必要がある」と言います。資本政策がよく結婚に例えられることから「結婚よりも離婚のほうが大変と言われるように、うまくいかなくなった時こそ揉める。事業成長に関係ないことで時間を取られてしまうので」と強調しました。
矢野氏は「どういう方向へ行きたいか、会社規模をどうしたいかをよく考えて」とアドバイス。調達額は大きいほうが良いという考え方にとらわれず、やりたいことに合った調達かを見極めてほしいと述べました。

理論だけでは語れない、資金調達のリアルに迫った本セッション。明日からの実践につながる多くのヒントを得られた時間でした。

矢野 敦子
株式会社クロスリンク 代表取締役

新卒で凸版印刷株式会社に入社し営業職に従事。途中、株式会社博報堂へ出向し大手自動車会社のプロモーション戦略の企画立案から実施までを行う。その後、株式会社エムアウトに参画。新規事業の立ち上げを経験したのち、2010年に株式会社クロスリンクを設立。2012年に株式会社エムアウトからMBOを実施し、現在に至る。
株式会社クロスリンクは「元気な人が人を元気にする」というビジョンの下、社会の持続的な成長には「健康」こそ最も必要と考え、予防医学をより身近にしていくことを目指しプラットフォームを構築。集客プラットフォーム①予約システム「ワンモアハンド」②シェア型電子カルテ「カルッテ」、求人プラットフォーム「キャリさぽ」で予防医学に関わる人々をサポートしている。
2022年度東京女性経営者アワード持続経営部門受賞

橋本 真里子
株式会社RECEPTIONIST 代表取締役CEO

1981年生まれ。三重県鈴鹿市出身。
武蔵野女子大学(現・武蔵野大学)英語英米文学科卒業。2005年より、トランスコスモスにて受付のキャリアをスタート。その後USEN、ミクシィやGMOインターネットなど、上場企業5社の受付に従事。受付嬢として11年、のべ120万人以上の接客を担当。長年の受付業務経験を生かしながら、受付の効率化を目指し、2016年に株式会社RECEPTIONIST(旧・ディライテッド株式会社)を設立。
2017年に、クラウド受付システム「RECEPTIONIST」をリリース。日程調整ツール「調整アポ」、会議室予約システム「予約ルームズ」を通して、管理業務をワンストップで効率化し、ビジネスコミュニケーションのアップデートを目指す。

阪根 嘉苗
アジアンブリッジ株式会社 代表取締役社長

新卒にてリクルート(旧リクルートエージェント)に入社し営業、人事部を経て、アジアンブリッジ株式会社を創業。起業当初は日系スタートアップ4社の海外進出コンサルと海外拠点の責任者として事業の立ち上げを行う。その後2016年から今のアジアンブリッジのメイン事業となる日本ブランドの海外流通支援事業をスタート。日本企業の国境を越えた流通の最大化に貢献するスペシャリスとして、ECのみならずリアル店舗などの現地マルチチャネルの流通を通じて最も最適な展開を提案。日本のビューティー&ヘルスケアのブランドを中心にのべ200社100億以上の流通を実現してきた。 EY Winning Womenファイナリスト、NBC国際アントレプレナー賞受賞。JETRO認定コンサルタント 早稲田大学大 学院卒

岡 美智子
株式会社A&I 代表取締役

石川県出身。立命館大学卒業。
在学中に UBC(ブリティッシュコロンビア大学、カナダ)に留学。 卒業後は、スターバックスコーヒージャパンに入社、新店舗立ち上げ、人材育成等を経験後、P&G、アストラゼネカ、医療機器メーカー、薬事コンサルと外資系企業で経営企画、マーケティングに携わる。
スターバックスコーヒージャパンでストックオプションを得たことがきっかけで始めた株取引の趣味が高じて、独立後に株スクールの講師を務めたのち、2020年2月株式会社A&Iを創業。
「エンジェル投資家の存在が当たり前の社会に」を掲げ、起業家やベンチャーの志を投資家に繋ぐコミュニティを運営。
iU(情報経営イノベーション専門職大学)客員教授

開催日時 2024年11月25日(月)13:00-18:10
会場 【リアルイベント】
東京国際フォーラムB5・G502・G504・G505・G510(東京都千代田区丸の内3丁目5−1)
【ライブ配信(オンライン)】
ZoomとYouTubeによるライブ配信
対象 企業・団体の代表者、経営者層、個人事業主など(男女不問)
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