レポート
まるで映画のワンシーンのような、少女が大人へと成長していく映像が流れます。「その人生に、美容家電にできるすべてを」というメッセージ。美容機器メーカーであるヤーマン株式会社の、企業ビデオから、代表取締役社長の山﨑貴三代氏が、本日1人目のスピーカーとして登壇しました。
「今は、美容家電のヤーマンというふうに皆さまに認識していただいていると思いますが、当時は研究所や電機メーカーで使う計測器や、半導体の検査装置を輸入販売するという仕事をしていて、その傍らで業務用の美容機器も少し作っているという会社でした」
山﨑氏が、現在とは異なる業種に軸足を置いていた、入社当時のヤーマンを語ります。
男女雇用機会均等法ができて2年目。ヤーマンは、すでに男女同一賃金を実現していました。一方で、山﨑氏が取引先の大企業で女性だけが受付や会議中のお茶出しをしていることに疑問を持つと、当時の社長である創業者は「その会社には、女性を遊ばせておける余裕がある。ヤーマンには、そんな余裕はございません」と答えたそうです。当時を振り返り、「この言葉に納得しました。余裕がなかったヤーマンのおかげで、逆に本気で使っていただけたんですね」とうなずきます。
1999年、社長に就任した山﨑氏。その後、扱う製品を業務用から家庭用へと転換します。一つのきっかけは、体脂肪計の特許を取ったこと。しかし、家庭向けの商品を作ることを思いもせず、特許を売却。その後、他社が出した体脂肪計が大ヒットという事態に。
「その特許を売ってしまったことは、ヤーマンの可能性を狭めたのかもしれない。やっぱり家庭用の市場は大きい。ブランドが必要だと気付きました」
美容家電という言葉もなかった時代。自らアポを取り、家電量販店やカタログ通販などの販路を開拓していきます。さらに、中国市場にも進出しました。
「日本の会社が、日本だけに留まっていることこそリスク。長期的な成功を目指すためには、グローバルブランドになっていくというのが、1番大切なことじゃないかと思います」
そして今、昨年、商品を使って表情筋のトレーニングができる「フェイス・リフト・ジム」をスタート。自社スタジオで、ライブコマースも始めています。
「美容機器のメーカーとしての道すじは、いかにお客さまに近づいていけるかということ。直接、お客さまに向き合うというところまで行き着きました」
最後に、「仕事で成功する3つの秘訣」について、お話くださいました。
「成功するという覚悟。そして、実力。運も必要です。覚悟と実力と運。これは、男女の区別ってあまりないんですよね。ですからもう一つ、女性の場合は、どんな立場であろうと、仕事に対する当事者意識を持ち続ける。そして持ち続けられる環境を、自分で作っていく。自分のたいまつは自分で持って、自分がランナーとして走りましょう!」
情熱あふれる山﨑氏の基調講演は、参加する女性経営者たちへの愛情に満ちた言葉で締めくくられました。
大学卒業後、ヤーマン株式会社に入社。マーケティング部門や海外部門を経て、1999年より社長に就任。業務用美容機器から家庭用美容機器へと転換を図り、独自の技術力で市場を切り拓いてきた。常に新たな市場を創造していくことを志し、「美顔器のヤーマン」として、RF美顔器「フォトプラス」シリーズ、ウェアラブルEMS美顔器「メディリフト」シリーズなど数々のヒット商品を世に送り出し続けている。
開催日時 | 2021年11月1日(月)13:15-18:30 |
---|---|
会場 | オンライン開催(ZoomとYouTubeによるライブ配信) |
参加対象 | 企業・団体の代表者、経営者層、個人事業主など(男女不問) |